ハンガリー語には日本語に似た言葉があったりします。現代の標準語だけでなく、古語や方言と似たものも散見することができます。ここでは、それらを列挙しましたが、これを基に日本語の起源について意見するつもりはありません。2つの言語を比較しただけで、言語の起源が分かるはずがないからです。ただ、何らかの関係があった可能性は示せると思います。ここでは、発音の類似度と意味の類似度の2点で評価してみました。まず、白黒関係なく、星4つなら聞き間違えるレベル、3つならかなり似ているレベル、2つなら少し似ている、1つはこじつけ。その上で、意味が同じならすべて黒星、意味は全く異なるなら、白星を付けています。
korai コライ★★★★
古来という意味の形容詞。ずばり、そのままです。
kucorog クツォログ★★★☆
一人で居るという意味の動詞だが、くつろぐと同じようなニュアンスがある。
mamma マンマ★★★☆
まんまは日本語でご飯の俗な言い方ですが、この言葉は柔らかく煮た物だけを意味します。
okol オコル★★★☆
叱るという意味の動詞。正しい言い方ではないが、誰かを怒るという言い時の怒る
-e エ★★★☆
疑問文であることを分かりやすくするために、動詞に付きます。日本語でも、え~を疑問文の文末に付けることがありますが、相手を強く非難することになるので、ニュアンスが違います。例: お前がやったんだろうが、え~
ide イデ★★☆☆
こちらへを意味する副詞。出でよの出で。Ide, ide!で、意味はこっち、こっちになるが、おいで、おいでの音に近い。
cuppog ツッポグ★★☆☆
泥から足を抜くときの音。福島の方言で雪に足が潜る音はつっぽぐると聞いたことがあるが、これは入れるときの音。逆なのが残念。
kan カン★☆☆☆
動物のオスを意味する名詞。暴漢とか痴漢の漢に近いかな。
utál ウタール★★★
utálは、あたるにあたります。ハンガリー語で言うと、Ataru utálra utál.(アタル ウタールラ ウタール)です。文献にあたるでも、これを使います。
vatta ヴァッタ、ワッタ★★★
綿(わた・めん)を意味する名詞。でも、ドイツ語でも似たような音だったと思う。
só ショー★★★
塩を意味する名詞。
táj ターイ★★★
地域という意味の名詞。熱帯温帯の~帯と同じような意味。ただし、使い方が違う。
szék セーク★★★
座るところを意味する名詞。音も意味も席に近い。
utó- ウトー★★★
後を意味する接頭辞。後(あと)と音が近い。
tova トヴァ、トワ★★☆
遠くのという意味の形容詞。日本語のとわのように、時間的に遠い意味でも使います。
okoz オコズ★★☆
起こすという意味の動詞。事故を起こすというときの起こす。誰かを起こすは違う。
új ウーイ★★☆
新しい新鮮という意味の形容詞。初(うい、うゐ)、初々(ういうい、うゐうゐ)しいと、音も意味も近い。旧仮名遣いで書くと、jがゐになるのがポイント。
áll アール★★☆
立つ立っているという意味の動詞。建物がある場合にもこの言葉を使う。
ül イゥル★★☆
基本的な意味は座るという意味。しかし、限定的ながらも、居るという意味でも使う。
hull フッル★★☆
舞い落ちる降るという動詞。Hull a hó(フッルアホー)雪が降るのように、雪の場合は降るの意味で使うこともある。
gurul グルルgurít グリート★★☆
回るという動詞。音はぐるりに近い。最初にgurulの意味を聞いた時、からかわれているのかと思った。
kicsi キチ★★☆
小さいという形容詞。服を試着して小さい時にきついと言う意味で使える。
apa アパanya アニャ★★☆
お父さんお母さんを意味する名詞。北東北でお父さん、お母さんはと言えば、あやあっぱだそうですが、ハンガリー語では、アパアニャになります。逆なのがちょっと残念。
sótlan ショートラン★★☆
味が薄いという形容詞。テレビでも紹介されていた。発音はやや違うが、状況で塩足らんでも十分通じる。
kor コル★★☆
時代頃と言う意味の名詞。
cici ツィツィ★★☆
おっぱいのことだが、英語やドイツ語でも似たような音なので、ハンガリー語に限った話ではないです。
takar タカル★☆☆
覆うという意味の動詞。日本語のたかるは、鳥がたかる人がたかるなど、見えないくらいに集まる、という意味があるので近い。
szagol サゴル★☆☆
嗅ぐという意味の動詞。探るとは意味が違うが、犬の場合、においを嗅いで探るので、ニュアンスが近い。
csoszog チョソグ★☆☆
ちょこちょこ動くと言う意味の自動詞。北海道や東北でちょすは(物を)動かすという意味の他動詞だそうで、意味は似ているが、自動詞と他動詞の違いが残念。
jár ヤール★☆☆
通うという意味の動詞。他動詞と、自動詞の違いがあるが、遣る(やる)に似ている。
száll サーッル★☆☆
飛ぶという意味の動詞。少し強引だが、いなくなるということでは、去ると近い。
kór コール★☆☆
病気という意味の名詞。肩がこるのは病気かな?
mond モンド★☆☆
言うという意味の動詞。問答と似ているが、意味が違う。
már マール★☆☆
意味はもう。言うときに、最後のrは落ちる場合があり、例えば、Gyere mar!(もう来なさい)は最後がマーになります。これは、福井弁で、せかすときに使う終助詞まと同じように聞こえます。例:はよ、しねま(意:早くしなさい)
また、ニュアンスの違いはありますが、まあ、いいかのまあと大体同じ感じで使えます。
jó ヨー★★
良いという意味の形容詞。赤→赤し→赤いと同じように良いも変化したとすると、元々は日本語でもよだったかも(憶測)。
víz ヴィーズ★★
水を意味する名詞。ヴィとみの違い。
üt イゥト★★
打つという意味の動詞。üもtも日本語にはない音ですが、うとつに近い音です。
szakad サカドszakít サキート★★
裂くという動詞。裂か(ない)、裂き(ます)と音が近い。
harag ハラグharagos ハラゴシュharagszik ハラグスィク★★
怒りという意味の名詞と、腹が立っているという意味の形容詞と腹が立つという意味の動詞。haragは腹がと音が近い。腹が立つの語源は、もしかしたら、haragと同じかもしれません。
szigorít スィゴリートszigorú スィゴルー★★
厳しくするという動詞と、厳しいという意味の形容詞。誰かをしごくという意味でこれらの単語を使う。
ugral ウグラル★☆
跳ぶという意味の動詞。上がるに近いかな。
kér ケール★☆
ください、して欲しいという意味の動詞。東北で~けれと言えば、~下さい。と言う意味ですが、ちょっと強引か。
megoszt メゴスト★☆
こぼすという意味の動詞。北海道の方言でこぼすはまがすと言うそうです。ちょっと音が近い。
csinál チナール★★
するという意味の動詞。福井の方言でするの丁寧語は、しなる。チとしの違いが残念。
akar アカル★☆
~したいという意思を示す動詞。食べたがる欲しがるのがるがakarと近いか?
kettő ケットゥー★☆
2の数詞。名古屋弁で自転車はケッタ。自転車は二輪だから2。
béka ベーカ★
カエルを意味する名詞。北東北や佐賀県でカエルはビッキと言うそうですが、ちょっと強引か。
sapka シャプカ★
帽子を意味する名詞。秋田県では帽子をしゃっぽと言うそうで、ちょっと近いかな。でも、フランス語のchapeau(シャポー)の方が音がしゃっぽに近いか。
arc アルツ★
顔を意味する名詞。逆の順番で書くとcra(ツラ)となり、意味が一致する。