アイルランド
正式名称
アイルランド語:Eire(エァラ、若しくはエール)、英語:Republic of Ireland(リパブリック・オブ・アイルランド)
日本語表記
アイルランド共和国
略号
愛
他国語表記
-
国名由来
「ire(アイル)」はゲルマン語で「西側の」という意味。英国本土やヨーロッパから見て、西側にあるため。
アイルランド語では定冠詞が付いて「Eire(エール)」となる。
また、「Eire」の古形「Eriu」が、「日没(つまり「西の果て」)」という意味の古代アッシリア語「Ereb」を語源としてるとも言われる。
その他、アイルランド神話やケルト伝説に登場する、「Eriu(エリュー)」という女神の名前が起源となったという説もある。
古代ローマ時代には、「Hibernia(ヒベルニア)」と呼ばれていたらしく、この語はラテン語で「冬のような」という意味の「hibernus」が語源となっている。北欧はさぞかし寒いのだろう。
日本語名由来
英語の「Ireland(アイルランド)」より。
備考
-
イギリス
正式名称
英語:United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland(ユナイテッド・キングダム・オブ・グレート・ブリテン・アンド・ノーザン・アイルランド)
日本語表記
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
略号
英
他国語表記
-
国名由来
「イングランド」という名は、ゲルマン人の一派であるアングル人がそこに住んだことから、「アングル人の土地」を意味する。
「ブリテン」という名は、ギリシャ時代に、現在のブリテン諸島を指す言葉として「ブリトニ」という呼び名が生まれ、次第にその中の最大の島をラテン語で「ブリタンニア(Britannia)」と呼んだことから、島名が「ブリテン」、そこに住む人が「ブリトン人」となった。別に、トロイのブルトゥスがこの地の巨人を征服したという話もあるが、伝説の域を出ない。
「アイルランド」という名は、ブリテン島との対比で西側に位置することから、アイルランド語で「西側」を意味する「アイル」と、「土地」を意味する英語の「ランド」を合わせて出来た。
「スコットランド」という名は、アイルランドから渡って来たスコット人(ケルト人系)が、この地を統一したことに由来する。
「ウェールズ」という名は、この地に侵攻してきたアングロ・サクソン人が、南西部に追い詰めたブリトン人を「よそ者」という意味の「ウェアルフ(Wealh)」と呼んだことから。実際には、アングロ・サクソン人の方がよそ者なのだが…。
日本語名由来
イギリスに関する名称はだいたい、イギリスを構成する四つの国の一つ「イングランド」が起源となっている。
「イングランド」をあらわすポルトガル語の「Inglez」、オランダ語「Engelsch」などが語源だと辞書には書いてある。
因みに、オランダ語表記では「イングランド」は「Engeland」、「英語」は「Engels」、ポルトガル語表記では「イングランド」は「Inglaterra」、「英語」は「Ingles」である。
若干辞書との違いがある(恐らく古語なのだろう)にせよ、ここから「エゲレス」「イングレス」「アングリア」などの日本語表記が生まれ、現在の「イギリス」となった。
備考
「イギリス」=「イングランド」のことなので、イングランド以外の、つまりスコットランド、ウェールズ、アイルランドを呼ぶ場合、またそれを含めた連合王国を指して呼ぶ場合に、「イギリス」とか「イングリッシュ」などの語を使うのは、間違いであり、政治的にも問題であり、呼ばれた人は憤慨することが多いという。しかし、日本では一般に使われている。
イタリア
正式名称
イタリア語:Repubblica Italiana (レプッブリカ・イタリアーナ)
日本語表記
イタリア共和国
略号
伊
他国語表記
英語:Italian Republic(イタリアン・リパブリック)
国名由来
古ラテン語の「vitulus(ウィトゥルス:雄の子牛)」から転じたものというのが有力な説である。
日本語名由来
イタリア語の通称の「Italia(イタリア)」より。
備考
-
オーストリア
正式名称
ドイツ語:Republik Osterreich(レプブリーク・エースターライヒ)
日本語表記
オーストリア共和国
略号
墺
他国語表記
英語:Republic of Austria(リパプリック・オブ・オーストリア)
国名由来
ドイツ語で「東の国」という意味。
日本語名由来
英語に由来。
「オウストリ」と表記された時代もあった。
「エスターライヒ」「エステルライヒ」等が用いられることもあるが稀。
備考
よく間違う国名として「オーストラリア」が挙げられるが、こちらはラテン語で「南の地」という意味があり、語源的にも無関係である。
2005年の愛知万博では、混同を避けるため、オーストリアブースでにて、「オース鳥ア」「オース虎リア」と覚えるようにと呼びかけられた。
オランダ
正式名称
オランダ語:Koninkrijk der Nederlanden(コーニンクレイク・デル・ネーデルランデン)
日本語表記
オランダ王国
略号
蘭
他国語表記
“英語:the Netherlands(ザ・ネザーランズ)、ドイツ語:die Niederlande(ディ・ニーダーランデ)、フランス語:les Pays-Bas(レ・ペイ・バ)、スペイン語:Los Paises Bajos(ロス・パイセス・バッホス)
国名由来
「Nederland」は、「低地の国」若しくは「低地地方」を意味する。
普通名詞に由来するため、基本的に定冠詞をつける必要がある。
日本語名由来
「オランダ」は、戦国時代にポルトガル人宣教師によってもたらされ、当時もっとも有力だった「ホラント州(Holland)」のポルトガル語「オランダ(Holanda)」が、「ネーデルランド」をあらわす語として定着した。
現在では、日本語訳でも「ネーデルランド」が用いられることもある。
備考
「オランダ」において、「Nederlanden(複数形)」と「Nederland(単数形)」の用法に違いがあり、複数形の方は海外領土を含んだ場合の呼び名として正式なものとされる。
発音は、英語の「ザ・ネザーランズ」、ドイツ語の「ディ・ニーダーランデ」、フランス語の「レ・ペイ・バ」、スペイン語の「ロス・パイセス・バッホス」と様々で、ゲルマン系言語とラテン系言語の違いが顕著にあらわれている国名といえる。
ギリシャ
正式名称
ギリシャ語:Ελληνικη Δημοκρατια(エリニキ・ジモクラティア)
日本語表記
ギリシャ共和国
略号
希
他国語表記
英語:Hellenic Republic
国名由来
通称はギリシャ語では「Ελλασ(エラス)」若しくは「Ελλαδα(エラザ)」である。英語の「Hellenic(ヘレニック)」も同様の語根で、ギリシャ神話に登場する民族の父祖ヘッレーンに由来するとされる。
英語の通称「Greece(グリース)」は、ラテン語の「Graecia(グラエキア)」のポルトガル語「Grecia(グレスィア)」に由来する。これは、ギリシャ神話の主神ゼウスとパンドーラーの息子の一人で、ギリシャ人の始祖となったグライコスに由来するとされる。英語でも通称は「Greece(グリース)」 が用いられる。
中東あたりでは、アラビア語「アル=ユーナーン」、ヘブライ語「イェヴァン」、トルコ語「ユナニスタン」などと発音し、これらは、全てイオニア(古代ギリシア人の一派が入植した地域)に由来する。
日本語名由来
英語の通称と同様、ラテン語の「Graecia(グラエキア)」のポルトガル語「Grecia(グレスィア)」が宣教師によって日本にもたらされたことによる。
備考
-
スイス
正式名称
“スイスドイツ語:Schwiizerischi Eidgnosseschaft(シュヴィーツェリシ・アイトグノッセシャフト)、フランス語:Confederation Suisse(コンフェデラシオン・シュイス)、イタリア語:Confederazione Svizzera(コンフェデラツィオーネ・ズヴィッツェラ)、ロマンシュ語:Confederaziun Svizra(コンフェデラツィウン・スヴィツラ)、ラテン語:Confoederatio Helvetica(コンフェオデラティオ・ヘルヴェティカ)
日本語表記
スイス連邦
略号
瑞(瑞西)
他国語表記
英語:Swiss Confederation
国名由来
神聖ローマ帝国の時代に、既得権益であった自由と自治を守るため、シュヴィーツ、ウーリ、ウンターヴァルデンの原始3州が同盟を結び、徐々に州数が増えていって現在のスイスとなる。
この時、中心的役割を果たしたシュヴィーツ州が国名の由来。
「アイトグノッセシャフト」は「誓約者同盟」という意味で、通常の「連邦(Bund)」とは若干意味が異なる。
ラテン語名は、古代ローマの支配が及ぶ前からベルン周辺に住んでいたガリア人の一部族ヘルウェティイ族に由来する。
日本語名由来
英語の「Swiss(スイス)」より。
備考
公用語は4つ(スイスドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語)で、基本的に4種が常に併記されるが、スペースに限りがある場合、ラテン語が用いられる。
スウェーデン
正式名称
スウェーデン語:Konungariket Sverige(コゥーネゥンガリケト・スヴェリエ)
日本語表記
スウェーデン王国
略号
瑞(瑞典)
他国語表記
英語:Kingdom of Sweden
国名由来
国名の由来は、北方ゲルマン人の一派であるスヴェーア人がそこに住んだことから。
「Sverige(スヴェリエ)」は、「Svea(スヴェーア):我々の同胞」と、「Rike(リケ):の国」が結合して転訛して出来た語。
日本語名由来
英語の「Sweden(スウェーデン)」より。
備考
略号は、スイスと同じなので、略さないで書くことが多い。
スペイン
正式名称
無し、憲法で定められておらず、正式名称は存在しない。国内で使用される文書等もEspana(エスパーニャ)、Estado Espanol(エスタード・エスパニョール)、Reino de Espana(レイノ・デ・エスパーニャ)等様々。
日本語表記
スペイン、スペイン国、スペイン王国
略号
西
他国語表記
英語:Spain、Kingdom of Spain
国名由来
ローマ帝国時代にイベリア半島が属州ヒスパニア(Hispania:ラテン語)と呼ばれていたことから。
日本語名由来
日本語の表記は、英語の「スペイン」に由来するが、スペイン一般に用いられているのと同様に、数種類存在する。
江戸時代以前の日本においては、スペイン語の発音に近い「イスパニア」が用いられていた。
備考
いくつかの呼び名が存在するが、基本的には国王を元首とする王国である。
ドイツ
正式名称
ドイツ語:Bundesrepublik Deutschland(ブンデスレプブリーク・ドイチュラント)
日本語表記
ドイツ連邦共和国
略号
独or獨
他国語表記
英語:Federal Republic of Germany、ポルトガル語:Republica Federal da Alemanha
国名由来
ドイツはドイツ語で「ドイチュラント」、英語では「ジャーマニー」、ポルトガル語では「アレマーニャ」となる。
ドイツ語での呼び名は、フランク王国時代にゲルマン系言語を用いるゲルマン系人を「大衆」という意味の「ドイチュ」と読んだことから。
英語での呼び名は、「ゲルマン」の英語読みから。
ポルトガル語(フランス語・スペイン語も似ている)での呼び名は、ゲルマン人の一派であるアレマン人に由来する。
日本語名由来
ドイツ語の「Deutsch(ドイチュ)」より。
備考
「ドイチュ」といっても、幼児語ではない。
フランス
正式名称
フランス語:Republique francaise(レピュブリク・フランセーズ)
日本語表記
フランス共和国
略号
仏or佛or法
他国語表記
英語:French Republic、ドイツ語:Frankreich、ギリシャ語:Γαλλια
国名由来
フランスの名は、中世ヨーロッパに存在したフランク王国に由来する。
ドイツ語の「フランクライヒ」は、直訳すれば「フランク王国」という意味になる。
ギリシャ語の「ガリア」は、古代ローマ帝国時代に現在のフランスの領域が属していた行政区画の名である。
日本語名由来
英語の通称「France(フランス)」より。
備考
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ベルギー
正式名称
オランダ語:Koninkrijk Belgie(コーニンクレイク・ベルヒエ)、フランス語:Royaume de Belgique(ロワイヨーム・ドゥ・ベルジック)、ドイツ語: Konigreich Belgien(ケーニヒライヒ・ベルギエン)
日本語表記
ベルギー王国
略号
白
他国語表記
英語:Kingdom of Belgium
国名由来
発音は、ラテン語の「Belgium(ベルギウム)」からで、ローマ帝国時代にガリアに住んでいたベルガエ人に由来する。
日本語名由来
「ベルギウム」より。
備考
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ポルトガル
正式名称
ポルトガル語:Republica Portuguesa(レプーブリカ・ポルトゥゲザ)
日本語表記
ポルトガル共和国
略号
葡
他国語表記
英語:Portuguese Republic
国名由来
ポルトガル北部に、首都リスボンに次ぐ第二の都市ポルトがある。
ポルトの創設は5世紀より以前にさかのぼり、ローマ帝国時代からの港町で、この町の古い呼び名を「Portus Cale(ポルトゥス・カレ:ラテン語=「カレの港」の意)」といった。
ポルトガルの名は、この古い呼び名に由来する。
日本語名由来
英語の通称「Portugal(ポルトガル)」より。
備考
-
モナコ
正式名称
フランス語:Principaute de Monaco(プランシポテ・ドゥ・モナコ)
日本語表記
モナコ公国
略号
(摩?)
他国語表記
英語:Principality of Monaco
国名由来
ギリシャ神話でヘラクレスがこの地を通りかかり、土地の神々を退散させたことに因んで立てられた一つの神殿が「一軒家」という意味の「Monoikos(モノイコス)」と呼ばれたことから。
日本語名由来
国名「Monaco(モナコ)」より。
備考
-
ルクセンブルク
正式名称
フランス語:Grand-Duché de Luxembourg(グラン=デュシェ・ダ・リュクサンブール)、ドイツ語:Großherzogtum Luxemburg(グロースヘアツォークトゥム・ルクセンブルク)、ルクセンブルク語:Grousherzogdem Letzebuerg(グロウスヘルツォークトゥム・レツェブエシ)
日本語表記
ルクセンブルク大公国
略号
盧
他国語表記
英語:Grand Duchy of Luxembourg
国名由来
アルデンヌ家のジーゲフロイト伯爵が、今の首都の領土に城を築き“lucilinburhuc(小さな城)”と呼んだことが由来。
アルデンヌ家の分家としてルクセンブルク家となり、伯領・公領を経て大公領へと昇格した。
日本語名由来
ドイツ語の「Luxemburg(ルクセンブルク)」より。
フランス語の「Luxembourg(リュクサンブール)」、英語の「Luxembourg(ラクセンバーグ)」も時々用いられる。
スペルは同じで、発音の違いによるカタカナ表記の違い。
備考
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ロシア
正式名称
ロシア語:Российская Федерация(ラスィーイスカヤ・フィジラーツィヤ)
日本語表記
ロシア連邦
略号
露or魯
他国語表記
英語:Russian Federation
国名由来
通称として用いられる「Россия(ラスィーヤ)」は、ギリシャ語の「Ρωσια(ローシア)」に由来する。
ロシア史の初めに出てくるのは、現在のウクライナに興った一般にキエフ大公国と呼ばれる国であるが、この国の国号は「ルーシ(Роусь:古東スラヴ語)」であった。
この名は時代を経て受け継がれていったが、モスクワ大公国が徐々に発展していくにつれ、ヨーロッパの一員として認められるためにギリシャ語風の発音「ロシア」を国号として採用した。
日本語名由来
日本では、「ロシア」「ロシヤ」が一般に用いられるが、平成3年に内閣から告示された「外来語の表記」の「撥音,促音,長音その他に関するもの」の中で「イ列・エ列の音の次のアの音に当たるものは、原則として「ア」と書く」とあり、「ロシア」が正解。
江戸時代には、中国語の「俄羅斯」やモンゴル語の「Орос」由来の「をろしや」と表記されたこともある。
因みに、「魯=鈍いこと」「露=日(日本)が昇ると消える」の意味があることから、当時の日本のロシアに対する感情が汲み取れ、ロシア側から抗議を受けたこともあるらしい。
備考
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