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中国王朝の帝王の呼び名について【中国歴史用語の解説】

国家の君主の呼び名は古来より“王”が用いられ、秦の始皇帝よりは清の滅亡に至るまで“皇帝”が用いられてきた。王や皇帝にはいくつかの呼び名があるが、それを例を挙げて説明する。

まず、帝王の呼び方の解説の前に、諡号、廟号という概念を説明しておく必要があるので、ご存じないという方は下記を順番に読み進めていただきたい。

諡号(しごう)とは

諡号は生前の行いによって亡き王や皇帝を評価するしきたりである。例えば、文王・武王・文帝・武帝などである(諡号の意味については下記を参照)。

王朝の末代の皇帝にはたいてい、次の王朝から諡号が送られた。諡号は周代には1文字であったが、唐代には通常5文字、宋の趙匡胤は16文字、明の朱元璋は21文字、清のヌルハチに至っては25文字である。この辺になると帝王の聖徳を称賛するだけの尊号となっている。

諡号の意味

文:天地に徳を盛んにさせ、様々な物事に対して博聞であり、慈恵により民を愛し、礼によって民を安んじた。
桓:武力によって四夷を征した。
恵:性格が柔和で諫言を受け入れられた。
宣:善政が広く知られた。
荘:戦争に関して決して諦めなかった。
霊:生前の志が死して後に成し遂げらた。世の中が乱れたが国を損なわずに済んだ。
穆:徳を広め私せず、義を執るり、心情と行動が一緒であった。
襄:未開の土地を徳を以て服従させ、乱を治め、治を成すに功績があった。
幽:国内に法令が徹底せず、国外に通達する事をしなかった。逆祀を行った。
哀:早くに父を亡くし、自身も夭折した。

廟号(びょうごう)とは

廟号とは天子の霊を太廟に祀るときに追尊されたもので、一般的に~祖や~宗が用いられる(廟号の意味については下記を参照)。

例を上げると、漢の劉邦・唐の李淵は高祖、遼の耶律億・宋の趙匡胤・チンギスハーンなどは太祖という廟号が送られた。

廟号の意味

太祖:初代の帝王。
高祖:王朝を開いた初代の皇帝。
太宗:太祖に次いで功績があった皇帝。
世祖:太祖・高祖・太宗に次いで功績があった皇帝。
中宗:中興の君主、再び国家を盛り上げた皇帝。
高宗:上記に次いで功績のあった皇帝。
世宗:上記に次いで功績のあった皇帝。

帝王の呼び方

さて、帝王の呼び方であるが、基本的には次の三つに大別される。

①古来~隋

諡号(しごう)を用いる。同じ諡号を持つ君主が複数存在するので、初めに国号を冠し、王・帝で締めくくり区別する。例えば、周の文王・漢の文帝・魏の文帝・隋の文帝など。

例外として漢の劉邦や五胡十六国時代の君主などは、廟号(びょうごう)を用いる場合が多い。

②唐~元

廟号を用いる。これも同じものが多いため、国号を冠する。唐の太祖・宋の太祖・元の太祖など。

③明~清

基本的には年号で呼ぶ。廟号で呼ぶこともある。洪武帝・永楽帝・乾隆帝など。

一世一元が制度化された明代以降は、治世年号をもって治世皇帝をあらわす方法がとられている。