文系の雑学・豆知識

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人皮装丁本にまつわる噂

人間というものは、いろいろ考えるもので、なんと人間の皮で装丁した本を作ったというから愕きだ。

一般に本の装丁材料は、革(羊・山羊・豚・子牛・アザラシ)、布(木綿・麻・絹)、装丁用クロス、紙などが用いられる。

このほか好事家好みのゲテ装本として、みの虫の巣、白樺、ヘビ、トカゲの皮などでできたものがある。だがゲテ装本の最たるものは人皮装丁本であろう。

この人皮装丁本は、世界に少くとも百冊以上はあるだろうといわれる。フランスに帰化した故藤田嗣治画伯も一部所有していた。一七一一年マドリード刊の宗教書で、戦前画伯が南米に遊んだ折、エクアドル大統領の息子から贈られたものだという。 

人皮装丁本で最も有名なのは、フランスの天文学者で詩人として知られるカミル・フラムマリオン博士の詩集『空の中の地』の一冊で、博士の詩を愛し、若くして世を去ったある伯爵夫人(サン・トウジ伯夫人といわれる)の遺言により、夫人の肩の皮で装丁したもの。その本の表紙にはフランス語で「ある婦人の心からの願いを容れ、その人の皮で装丁す、一八八二年」と麗々しく金文字で打ち出されている。 

同書は長く博士の手元にあったが、博士夫妻の没後アメリカのある愛書家のところに秘蔵されることになった。 

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツのブッへンワルト捕虜収容所長の妻イルゼ・コッホは人間の皮、特に刺青のあるものに興味をもち、夫の地位を利用して、刺青のある捕虜を殺害なし、その皮で本のカバーをつくり、ヒトラーの『わが闘争』(マイン・カンプ)や、家族のアルバムや日記を装丁したといわれる。

さすがに、日本でのこのての話は聞いたことがない。