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物語文(小説文)、随筆文の読解方法【中学現代国語講座】

目次

●物語文とは、随筆文とは
-物語文または随筆文の読解問題を解くときのコツ
●物語文のポイント
-登場人物について-
心情について
●随筆文のポイント
-「感想」とは
●「出来事」について
●状況や情景の描写で注意すべき点
●心情の把握の仕方
●読み方まとめ

物語文とは、随筆文とは

物語文(小説文)とは、ストーリー性のある文章のこと、と言うとほとんど説明になっていませんが、案外これで雰囲気は伝わるかと思います。笑
とある舞台(地域や場所など)で、何人かの登場人物がそれぞれ何かをしたり考えたり感じたり、何らかの出来事(や事件)が起こったりしつつ話が進んでいく文章だと思えばよいでしょう。


随筆文とは、筆者が過去に経験したり体験した出来事(エピソード)と、それについて筆者が思ったり感じたりしたことなどの感想が書かれている文章です。


文章がどのように成り立っているか、ザックリ説明すると、


物語文= 登場人物の 心情+出来事
随筆文= 筆者の感想(心情、見解)+出来事
論説文= 筆者の見解+説明

という感じです。

論説文については物語文や随筆文との違いを見比べてもらうために載せています。

随筆文は、物語文と論説文のちょうど間みたいなものと考えてよいでしょう。

 

国語の読解問題的に言うと、物語文とは「登場人物の心情(気持ち)がどうであるかを主に問うもの」、随筆文とは「筆者の感想(心情・気持ち、見解)がどうであるかを主に問うもの」、論説文とは「筆者の見解(考え、意見)がどうであるかを主に問うもの」といえます。

物語文または随筆文の読解問題を解くときのコツ

問いの文が、物語文や随筆文の読解問題では論説文のそれと比べ、本文の内容が推測できるような問いが多いです。


問題として問われているということは、それがそれだけ重要だから問われているわけで、問いの文から予想できる本文の内容はつまり本文の中でも重要な部分にあたると言えます。


本文の重要な部分が何か、ということが分かった上で本文を読むのと読まないのとでは、明らかに差があるのは言うまでもありません。

なので、問いの文にチェックを入れるときは何に注意して読めばよいのかを問いの文から知り、その上で本文を読み始めます。


これが、論説文以外の文章の読解問題を解くときのコツです。

ある意味、物語文、随筆文の読解については文章の読み方より解き方の方が重要と言ってもよいかもしれません。


あとは本文を読むにあたってポイントになる部分を知っておけば、物語文や随筆文は解けるはずです。

以下、そのポイントを順番に説明をしていきますが、物語文と随筆文の共通要素である「出来事」についての説明は最後にまとめて行います。

 物語文のポイント

物語文を読むときは、登場人物(とその人間関係)、心情(とその動き)、心情に影響を与える出来事、この3つに注意して読むのがコツです。


いつ、どこで、だれが(どういう人が)、何をしたか、何を思ったか、何があったのかということに気をつけながら読むのが物語文の読み方だということです。

登場人物について

物語文では大抵の場合、複数の人物が出てきます。

そのため、誰がした行為なのか、誰が思ったことなのか、その主語に注意する必要があります。


また人間関係にも注意が必要で、仮にA、B、Cの3人がいたとして、それが親子なのか親戚なのか、友達関係にあるのか、師弟関係にあるのか、あるいはただの他人なのか、というように、人間関係をちゃんと把握していないと文章を読んでも理解できません。

ここをアイマイなままにして読まないようにしましょう。


また、場合によってはその関係は良好なのか、ケンカ中などで一時的に仲が悪いのか、ということに注意する必要があったりもします。

これは文章次第ですね。


人間関係が分かりにくい場合などは特に、空いたスペースにA=父、B=母、C=先生という感じで、簡単に人間関係を書いておくと理解しやすくてよいです。

 心情について

 

心情とは、心で感じていること、考えていること、簡単に言えば「気持ち」のことです。

物語文の読解問題では、登場人物の『心情・気持ち』に関するものがよく問われます。


例えば、「彼は宝くじが当たって喜んだ」という文があったとして、“宝くじが当たって彼はどんな気持ちになったのか答えなさい”というように、登場人物の心情をストレートに問うものや、“「喜んだ」とあるが、彼はなぜ喜んだのか答えなさい”というように、登場人物がそういう心情になった理由や事情を問うものなど、心情に関する問いが物語文の読解では定番の問いになってきます。


直接『心情』が問題で問われてはいない場合でも『心情』は答えのヒントになっていたりするので、結局のところ、『心情』が重要であることに変わりはありません。

このように心情は、文章を読むときだけでなく、問題を解くときにもポイントになってきますが、文章で出てくる全ての心情が重要というわけではありません。


「宝くじが当たって喜んだ」などのように、心情には動きや変化があるものですが、たとえば「嬉しい」と「すごく嬉しい」とでその動きや変化に強弱の差があります。このように心情の動きや変化には強弱があり、強いものほど基本的に重要となります。

逆に言うと弱いものは基本的に重要ではないと言えます。

文章を読むときは心情の中でも特に動きや変化の強いもの、大きいものに注意して読みましょう。


あと、「昔は広いと思っていた公園が大人になった今ではとても小さく思える。」といったように、今と昔とでは感じ方や考え方などが同じ人物でも違っていたりするので、心情が現在のものか過去のものかという点にも気を配りましょう。

随筆文のポイント

随筆文を読むときは、筆者の感想(心情、見解)、筆者に影響を与えた出来事、この2つに注意して読むのがコツです。

筆者がどんな出来事を経験・体験して、それに対してどう思ったかということに気をつけながら読むのが随筆文の基本的な読み方です。

「感想」とは

「感想」は「心情」と基本的にイコールなので、上記の「心情について」を読めばほぼOK。

随筆文では「心情」と言うより「感想」と言ったほうがニュアンス的に近くなるのでそう表現しているだけです。

物語文では「登場人物の心情」に注意して読むように、随筆文では「筆者の心情(感想)」に注意して読めばよいということになります。


「感想」=「心情」が一般的ですが、時々「感想」=「見解」と表現した方がニュアンスとしては近いような「感想」もあります。

例えば「ディ○ニーランドに行った」という「出来事」に対する筆者の感想が「楽しかった」であれば、「感想=心情・気持ち」と言えるでしょうが、「日本のアチコチにもディズ○ーランドみたいな施設があればいいのに」といった感想であったなら、「感想=見解」と捉えたほうがよいでしょう。

このとき随筆文での問いでは、「見解」が問われることになります。


最初に説明したとおり、随筆文は物語文と論説文のちょうど間にみたいなものなので、文章によっては論説文に近かったり物語文に近かったりします。

論説文に近い場合は、読み方も論説文の読み方に近いものになり、物語文に近い場合は、物語文の読み方に近いものになります。


論説文に近いか物語文に近いかは、文章を読めばわりと普通に分かるものなので、そこはあまり気にしなくてもよいでしょう。

理屈っぽいな、と感じたら論説文の読み方を、ストーリー性があるな、と感じたら物語文の読み方をすればOKです。


結局のところ、随筆文を読むときは「感想」に注意して読めばよいということに変わりはありません。

「出来事」について

嬉しかったり悲しかったりなど、心情(気持ち)には色々な動きや変化があるものですが、この心情の動きや変化は、何らかの出来事が原因で起こります。

つまり「出来事」とは『心情』に動きや変化などの影響を与える原因になるものです。

ただし「出来事」の全てが『心情』に影響を与えるわけではありません。


例えば、

『1階から自分を呼ぶ母の声がした。何事かと○○(登場人物、筆者)が下に降りると、こっそり捨てたはずのテストの答案用紙(13点)を持った母が立っていた。』

という文だと、「母に呼ばれる」という出来事と、「捨てたはずのテストの答案用紙を持った母が立っているのを目にした」という出来事、この2つがありますが、どちらの「出来事」が○○の心情に大きな影響(動きや変化)を与えている出来事かというと、当然、後の方です。

ウワ、ミツカッター!ということですね。


このように、出来事には「心情に影響を与える出来事」と「心情に影響を与えない出来事」とがあり、影響を与える出来事のほうに注意が必要です。

心情に与える影響が大きい出来事ほど重要度は高くなると考えてよいでしょう。

物語文では「登場人物の心情に影響を与えている出来事」に、随筆文では「筆者の心情に影響を与えている出来事」に注意することになります。


さきほど「心情」の説明で、心情は、その動きや変化が強い(大きい)ものほど重要だと言いましたが、「心情に影響を与える出来事」がこれと深く関係していることは想像がつくと思います。

心情に与える影響が大きいということはそれだけ心情が大きく動いたり変化するわけですからね。

出来事も心情も、与える(与えられる)影響の大きいものほど重要だということを知っておきましょう。


随筆文では筆者にとって特に印象的だった出来事とそれに対する感想が述べられているので、物語文と比べ、心情に大きな影響を与えている出来事がわりとハッキリ書かれてある場合も多く、どんな出来事があったのかが分かりやすい場合が多いです。

逆に物語文は、淡々と話が進む場合があるので、特に目立った出来事も無いまま気が付いたら本文を何となく読み終えてしまっていたということもあるでしょう。


いずれにせよ、物語文でも随筆文でも、文章を読むときは、どんな出来事が登場人物または筆者に影響を与えているのか、心情に影響を与えている出来事は何なのかに注意して、単に行動や場面、状況などを描写しているだけで心情には影響を与えていないような「出来事」、例えば「山に登った」とか「車で遠くの親戚の家まで行ったなどについては、軽く読み流すのがコツです。


なお、出来事の中には心情との区別がハッキリしない出来事もあります。

例えば「当時の太郎は犬を見るととても喜んだ」というような文だと、「喜んだ」というのは確かに心情・気持ちですが、「過去に喜んだことがある」という出来事でもあるわけです。

心情と出来事は必ずしもはっきり区別できるわけではないということも知っておくとよいでしょう。

 状況や情景の描写で注意すべき点

文章によって量に差はありますが、物語文や随筆文では、状況や情景についての描写(どんな場所なのか、どんな季節なのか、どこにいるのか、どんな様子なのか、いつなのか、といったことに関する既述)があるのが普通です。


この「状況や情景の描写」については、基本的にはサラっと読み流すだけでかまいません。

というより、状況や情景の描写が難解で分かりづらいということは滅多に無いので、結果的にサラっと読み流してしまうことになる場合が多くなる、と言ったほうが合っているでしょうか。


ただし、最初は朝だったけど後半は夜になっているなど、時間の経過はもちろん、時間が逆行する場合もある(昔のことを思い出したりなど)ので、こういう場合は今自分が読んでいるのはいつの話なのかに気をつける必要があります。

移動などで登場人物または筆者がいる場所が変わることもあるのでこれにも注意します。

要するに、場面の変化には注意ということです。


また「状況や情景の描写」には、時々、感情や見解が含まれるものもあり、これについてはサラっと読み流さないよう注意が必要です。


たとえば「子供の頃遊んでいた公園を20年ぶりに訪れてみたら、記憶にあるよりも遥かに公園は小さかった。」という文なら、仮にその公園が一般的に見れば広いほうだったとしても、登場人物または筆者にとっては「小さい公園」となります。

つまり感情や見解が含まれる「状況や情景の描写」は、上で説明した「心情に影響を与える出来事」の1種と言えます。


とはいえ、「状況や情景の描写」の大部分は、「富士山は日本一高い山だ」のように、感情や見解とは無関係なので、あまり神経質になる必要はありません。


話をまとめると、「状況や情景の描写」は基本的にサラっと読み流してよいが、時々感情や見解が含まれるのでそれには注意、ということです。

 心情の把握の仕方

心情は述語に注目すれば大抵は分かります。

心情というのは、誰がどうしたか、どう思ったか、どう感じたか、ということなので、結局は述語を見ればほとんど把握できてしまいます。

述語に注意しつつ、様子や態度や行動、セリフなど、様々な箇所から心情を把握しましょう。


上で説明したとおり、何らかの「出来事」が原因で心情は動いたり変化したりしますが、その動きや変化が大きい心情ほど重要です。

心情は文章のアチコチにありますが、動きや変化が大きい心情に特に注意しましょう。


なお、そういう心情については、その横に鉛筆やシャーペンなどで波線を引くとよいでしょう。

論説文では筆者の見解に波線を引きますが、物語文では心情に波線を引きます。


物語文では複数の人物が登場するので、誰の心情なのかにも注意しましょう。

読み方まとめ

物語文の読解をするときは、登場人物(とその人間関係)、心情(とその動き)、心情に影響を与える出来事、これらに注意して読むこと。(いつ、どこで、だれが(どういう人が)、何をしたか、何を思ったか、何があったのかということに気をつけながら読む。)

随筆文の読解をするときは、筆者の感想(心情、見解)、筆者に影響を与えた出来事、これらに注意して読むこと。(筆者がどんな出来事を経験・体験して、それに対してどう思ったかということに気をつけながら読む。)

心情はその中でも特に動きや変化の大きいものほど重要。

出来事は心情に与える影響が大きいものほど重要。

よって、これらに注意して読むこと。


出来事の中には心情との区別がハッキリしないものもある。無理やりそれを区別する必要は無い。

心情を把握するには主語と述語に注目するとよい。