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形容詞・形容動詞の活用形の見分け方・覚え方【中学現代国語講座】

目次

はじめに
(1)形容詞の活用
(2)形容動詞の活用
(3)形容動詞の特徴~品詞の識別問題を解くためのキー~
結局何を覚えればよい?

はじめに

形容詞、形容動詞は、何といってもその活用を覚えることが最も重要です。

よく出る問題のパターンとしては、形容詞や形容動詞に波線が引いてあり、その波線部の活用形を問うという問題です。


この単元は、『活用形』の知識があることを前提で説明していきます。

活用や活用形に関しては『動詞』で詳しく説明しているので、分からない方はまずそちらを先に見て下さい。

(1)形容詞の活用

形容詞はその活用そのものを覚えることが最も重要です。

下の表の桜色の部分の、「かろ、かっ、く、い、い、けれ」をそのまま丸暗記します。

「かろ」は未然形、「かっ・く」は連用形、というように、どれがどの活用形かも覚える必要があります。

繰り返し何度も口にして覚えてしまいましょう。

あとは終止形が「い」になるということを知っておけば形容詞に関しては基本的にOKです。

形容詞
例:「美しい」
語幹 活用語尾
未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
美し かろ かっ

(う)

※1
けれ
後ろに来る語
ない
なる

とき
(名詞)

 

上は形容詞の活用表になっています。

ここでは「美しい」を例にしていますが、形容詞であれば全てこのように活用します。

「美しい」の「い」の部分が、表にあるように「かろ、かっ、く、い、い、けれ」と変化(つまり活用)するわけですね。

「美しかろ」ならその形容詞の活用形は未然形、「美しけれ」なら仮定形、となります。


表の見方が分からないという人は、おそらく「動詞」の活用の知識自体がそもそもアイマイだと思うので、『動詞』のページに戻って学習し直したほうがよいと思います。

また語幹(ごかん)や語尾(ごび)についても『動詞』のページで説明しているので、分からない人はそちらで確認しておいてください。


ちなみに形容詞に命令形はありません。表の「○」はそういう意味です。

「×」としたほうが命令形がないということが見た目で伝わりやすいと思いますが、こういう活用表では「×」ではなく「○」を使うのが一般的なので、ここでもそれに合わせています。

『後ろに来る語』について 

動詞では『後ろに来る語』を覚える必要がありましたが、形容詞(と後で説明する形容動詞)では覚える必要はありません。

「かろ、かっ、く、い、い、けれ」を覚えれば活用形は見分けられるからです。

なので上の表にある『後ろに来る語』は、無視してOK。一応載せておいただけです。


ただし、『後ろに来る語』について、「ない」には注意してください。


動詞の後に「ない」が来ると、その動詞の活用形は未然形になりますが、形容詞の場合は後に「ない」が来ると、その形容詞の活用形は連用形になります。勘違いのないように

なお、『後ろに来る語』は形容詞ではありません。活用部分までが形容詞です。

『美しい』に「ば」がつくと『美しければ』となりますが、『美しけれ』まで(活用部分まで)が形容詞で、「ば」は形容詞ではありません。

単語わけすると、『美しけれ/ば』になります。

 

※1「(う)」についてですが、これは「く」が音便化したものです。
音便とは、言葉の発音上、言い回しが変化したもの、とでも思ってもらえればよいかと思います。

例:おはや く(ku) ございます → おはよ う(u) ございます

この例の場合、「k」の音が抜け落ちています。

 (2)形容動詞の活用

 

形容詞と同様、形容動詞もその活用そのものを覚えることが最も重要です。

「だろ、だっ、で、に、だ、な、なら」と、そのまま丸暗記して下さい。

「だろ」は未然形、「だっ、で、に」は連用形、というように、どれがどの活用形かも覚える必要があります。

あとは終止形が「だ」になることを知っていれば基本的にOKです。

 

形容動詞
例:「静かだ」
語幹 活用語尾
未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
静か だろ だっ

なら
後ろに来る語
ない
なる

とき
(名詞)

 

形容動詞にも命令形はありません。

そして『後ろに来る語』も覚える必要はありません。理由は形容詞と同じく、活用そのものを覚えれば活用形が何なのかが分かるからです。


活用部分までが形容動詞であり、『後ろに来る語』は形容動詞に含まれないという点も形容詞と同じです。

つまり活用表の桜色の部分、ここまでが形容動詞。

例えば『静かだ』に「ば」がつくと、『静かならば』となりますが、『静かなら』まで(活用部分まで)が形容動詞で、「ば」は形容動詞ではありません。

単語わけすると、『静かなら/ば』になります。

 (3)形容動詞の特徴

品詞の識別問題を解くために

形容動詞は品詞の識別問題の中でも、最も難しいとされる問題を解く上で、非常に重要なキーとなります。

具体的には「だ」の識別、「で」の識別、「に」の識別です。(『品詞の識別2』参照)

ここでは、必要最低限、知っておいて欲しいことだけに話を限定します。


形容動詞は、

(1)その前に「とても」を補うことが出来る。
(2)連体形(「な」)に活用させ、名詞をその後に置くことができる。(な+名詞)

という特徴があります。次の例を見てください。

 

例:その日の海は穏やかで泳ぎやすかった。

 

では実際に形容動詞の前に「とても」を補ってみます。

その日の海はとても穏やかで泳ぎやすかった。


次に「で」を連体形(「な」)にして、その後に適当な名詞を置いてみます。

・・・とても穏やかな海。

「穏やかで」という語の前に「とても」を補うことができ、かつ「な+名詞」の形にもできました。

よって、「穏やかで」という語の品詞は形容動詞であるということが分かります。

 

ここでは、形容動詞には、その前に「とても」を補え、「な+名詞」の形にできる、という特徴があることをしっかりと覚えておいて下さい。

必ず役に立ちます。

結局何を覚えればよい?

  形容詞 形容動詞
その1 「い」で終わる 「だ」で終わる
その2 活用↓を覚える
かろ・かっ・く・い・い・けれ
活用↓を覚える
だろ・だっ・で・に・だ・な・なら
その3 - 前に「とても」を補え、「な+名詞」の形になる