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訳しにくい助詞「ば」ついて解説【中学古典(文語文法)講座】

目次

はじめに
(1)しかば
(2)なば
(3)ねば

結局何を覚えればよい?

はじめに

古典の助詞『ば』は、訳しにくいものです。

助詞の「ば」の訳し方は問題でよく出てきますが、その際のポイントは、「ば」の直前の語を見ることでした。

 

未然形(ア段の音)+『ば』 → もし~ならば
已然形(エ段の音)+『ば』 → ~ので、~と(ところ)

 

中学生の間は、未然形は基本的にア段の音で終わり、已然形はエ段の音で終わる、という覚え方でよいでしょう。

以下、この知識を前提に話を進めます。

(1)しかば

過去の助動詞『き』の已然形「しか」+ば、の形です。

「已然形+ば」の訳は「~ので」、「~ところ」ですが、ここに過去の意味が入るので、訳は「~たので」、「~たところ」となります。

 

過去の助動詞『き』の活用表

未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
(せ) しか

「已然形はエ段の音で終わる」のが基本ですが、過去の助動詞『き』は活用が不規則なため、これが当てはまりません。

なので、「しか」が過去の助動詞『き』の已然形であることを知っておく必要があります。


中学の間は基本的に古典助動詞の活用を覚える必要はありませんが、この『き』に関しては覚えておいてください。

未然形は滅多に出てこないので、終止形から順番に「き・し・しか」と覚えるだけです。

 (2)なば

完了の助動詞『ぬ』の未然形「な」+ば、の形。

「未然形+ば」の訳は「もし~ならば」ですが、ここに完了の意味が入るので、訳は「もし~たならば」となります。

 

完了の助動詞『ぬ』の活用表

未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
ぬる ぬれ

 

 「な」が完了の助動詞『ぬ』の未然形だいうことを覚えておきましょう。

 (3)ねば

打ち消しの助動詞『ず』の已然形「ね」+ば、の形です。

「已然形+ば」の訳は「~ので」、「~ところ」ですが、ここに打ち消しの意味が入るので、訳は「~ないので」、「~ないところ」となります。

 

 打ち消しの助動詞『ず』の活用表

未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
ざら
ざり

ざる

ざれ
ざれ

 ※「ざら・ざり・ざる・ざれ」は「ずあり」がくっついたもの

 

「ね」が打ち消しの助動詞『ず』の已然形だと知っておきましょう。

結局何を覚えれば良い?

訳し方を覚えるだけです。

しかば ・・・「~ので」、「~ところ』」
なば ・・・「(もし)~ならば」
ねば ・・・「~ないので」、『~ないところ』